 『007/死ぬのは奴らだ』で初登場し、次の『007/黄金銃を持つ男』にも連続登板となった コメディリリーフがクリフトン・ジェームズ扮するペッパー保安官です。 デブでマヌケで下品で威張り屋という、田舎警官のイヤなところを全部集めたような彼ですが、 ボンド役に就任したてのロジャー・ムーアにギャグを演じさせたくなかったのか、 どちらの作品でもハツラツとして出てきます。
 写真左の『死ぬのは〜』では彼の勤務地のアメリカの片田舎で活劇が繰り広げられるんだから まぁ解るとしても、右の『黄金銃』では遠く離れたタイでの一幕に旅行中ということで ムリヤリ絡んで来るんですから、いかに彼の人気が高かったのか伺えますね!
そのペッパー保安官は『死ぬのは』では空高く舞うジェットボートにビックリ仰天しますが、 『黄金銃』でもボート&ジャンプ絡みなのは偶然なのか、それともスタッフのお遊びでしょうか? この作品ではまず、ボンドが空手の一団と幅の細いモーターボートでチェイスしてるところに出くわし 記憶を呼び覚まされ、次はスカラマンガのフライングカーを追うカーチェイスに割り込んできます。 本人は有能な警官のつもりなので、あくまで本気でボンドの役に立ちたいと思っているようですが、 事実はマヌケな田舎警官なのでただの足手まといにしかなりません。 それで適当に相手しながら、それでもクルマを急いで走らせることには余念のないボンドですが、 いつの間にか川の反対岸に行ってしまったスカラマンガに業を煮やし、 半壊した橋を使って強引に試みるのが、この映画のカーアクションの白眉、360度回転ジャンプです。
ジャンプ台である半壊した橋をわざわざ造り、ジャンプする角度や突入速度を綿密に計算して 行われたこのスタントですが、それでもブッツケ本番の一発撮りだった事には変わりはありません。 今ならこんなアクションはCGでやっちゃうんでしょうが、どんなに良くできたCGも ホンモノには勝てる訳がないので、このスタントは不滅でしょうね。
 この時にボンドが乗っている車はホーネット・ハッチバックで、 ペッパーさんが試乗してるところをボンドがカッパらう、もとい徴用する訳ですが(笑)、 なぜ彼がタイ旅行で自動車の試乗をしていたのかはよく解りません。 どうせそこでは買うわけにはいかないのにねぇ…(爆笑)。 試乗車なんで無改造という設定ですが、実際は360度ジャンプのために1万ドルをかけて 21の公認特許を取得した改造が施されたそうです。
 ミニカーはコーギーのフォードカプリを改造して作ったデッチビルドです。 1990年代に私は「全ボンド映画の1本から1台はミニカーを揃える」という野望に燃えていたんで、 出そうにも無いクルマはこうやって自作してました。それが後にコーギーから正規品は出たし、 海外のミニカー付きマガジン『JBカーコレクション』にもラインナップされてるしで、 こういう時代が来ようとはビックリですね。(・∀・) なお、ミニカー付きマガジンのホーネットはPonys41さんのこちらで御覧になれます。
『黄金銃を持つ男』のミニカーは当ブログですでに2台紹介済みだし、 このインチキホーネットは紹介しないでおこうと思ってたんですが、 とある理由からお見せすることに方針変更しますた(笑)。 一応、3面図もお見せしますが、インチキなんでいつもに増してディテールはイイカゲンで、 何の参考にもならないと思います。('A`)
さて、その大ジャンプの際も大げさにわめくだけだし、その後、暴走の結果、 現地警官隊に包囲された時も何の役にも立たなかったペッパーさんでしたが、 まぁ印象には強く残ったのは間違いなく、以前に書いた『トランザム7000』では ジャッキー・グリーソン演じる同様のキャラクターが登場するし、
 クリフトン・ジェームズ御本人も『スーパーマン2』(左)や『探偵ハート&ハート』(右)等でも 同じような田舎保安官を演じてますから、彼一番の当たり役になっちゃった訳ですね(笑)。
 今回の表題はもちろんピンクレディの「ペッパー警部」からとったものですが、 この曲名には炭酸飲料のドクターペッパーからとったという説もあります。 でも日本ではあまり飲まれないあの飲み物を使うかなぁという気もするし、 『黄金銃を持つ男』の日本公開が1974年の年末で、「ペッパー警部」の発売が1976年8月なんで、 歌に出てくるマヌケなペッパー警部は007から思いついたと考えても大丈夫なんじゃないでしょうか?
と、さんざペッパーさんネタで引っ張ってきましたが、 それだけでは何なんで、最後にとっておきの秘密兵器を一つ!
 これはSDスタジオ製の黄金銃のレプリカで、真鍮製の1/1サイズ。 今回は組み立てた状態で御紹介ですが、ちゃんと設定通りに、 万年筆、ライター、シガレットケース、カフスボタンに分解できます。 1990年代前半にアメリカの雑誌STARLOGの通販で売っているのを見つけ、 たしか750ドルくらいしたのを送金し、待つこと2ヶ月でようやく届いたものです。 当時のお金で9万円くらいになる計算なので、その間気が気じゃなかったですが、 老舗SF雑誌のSTARLOGのことなんで詐欺は無いだろうと信じて正解でした!ヽ(´ー`)ノ 後にこの品は業者が輸入してましたが、15万〜20万以上付いていて、 手間賃考えればボってはいないんだけど、その値段じゃ買えなかったなぁと 胸をなで下ろしたものでした。
元々完成度が高いとは言えない作品だし、さすがに3回目となると 語る内容に苦労するかと思っていた『黄金銃を持つ男』ですが、 実際に原稿にしてみるとまだまだ書き尽くせないものですねぇ…ヽ(´ー`)ノ。 ということは実はディテールはそれなりに充実してたってことで、 映画全体がイマイチ盛り上がりに欠けるのは、死の直前のフレミングの未完成原稿を ムリヤリに体裁を整えて出版した原作からしてショボイので、 手の打ちようがなかったと考えるべきなんでしょうか?(爆) それでも、あの組立式黄金銃を考えついたことで、この映画版『黄金銃を持つ男』も 歴史に残る作品になったことは間違いありません。
ではもう一つオマケに、予想以上に黄金銃が好評だったので、 急きょ、その辺にあった1/1関係007グッズを絡めた写真を 追加撮影して、この稿は締めたいと思います!(笑)
 テーマ:ホビー・おもちゃ - ジャンル:趣味・実用
|