 1月20日にお届けした『人気家族パートリッジ』の記事の最後で触れたように、 今でもアメリカ人の心に残っているパートリッジファミリーとそのバスですが、 「アイドルスターがペイントされたバスに乗って旅をする」という番組は日本にもありました。 それがこの『青空にとび出せ!』で、登場するスターはピンキーとキラーズです。
 これはその番組の主題歌レコードのジャケットですが、パートリッジファミリーが男女比が 半々だったのに対しこっちは女性はピンキーのみだし、 バスのペイントは向こうのサイケ調に対しこちらはフラワー・ムーブメントを思わせる花柄と、 好対照な両番組ですが、なんと放送は『青空にとび出せ!』の方が1年半程早かったのでした。 これだけ近い時期にこれだけ似通った要素を持つ2つの番組があって全く無関係ということは 考えにくいのですが、当時は家庭用ビデオすら普及してなかった頃だし、 日本の番組をアメリカで見ることは困難だったろうから、やはり偶然だったのでしょうか?
1969年3月末に始まった『青空にとび出せ!』は高度成長期のまっ只中を舞台に、 投げタバコでボヤを出したおんぼろアパートの住人であるピンキーとキラーズが、 大家との抗争でせしめた立ち退き料を頭金に作りあげた300万円の特別製キャンプカー ピンキングカーに乗り、「税金も無くわずらわしさも無い微笑みの国、若者の独立国を作ろう!」を 合言葉に、珍商売や冒険をしながら全国を旅して青春コメディです。 家族愛がメインになった『パートリッジ』とは違い「若者の自由・連帯」が大きく取り上げられる この番組は、いかにも当時の全共闘世代を思わせるし、どちらかというと『イージーライダー』の 世界観に近いのかもしれませんが、実はその『イージーライダー』にしたって アメリカ公開が1969年7月と、この『青空にとびだせ!』の方が早いのには二度ビックリです!
 そしてこの番組のもう一つの目玉である「ピンキングカー」ですが、 これはマツダのライトバスのA型を改造したものです。 ライトバスA型というのは1965~71年にかけて発売されたマツダの本格的マイクロバス第1号で、 その当時としては、というより今でも十分に斬新な曲面を多用したデザインは 「宇宙船」とか「観覧車のゴンドラ」なんて呼ばれてました。 私にとっても馴染み深いクルマで、実は通っていた幼稚園の送迎バスがコレだったのです。 4~5才の幼児の目にも十分にカッコ良かったこのバスに乗るのが私は大好きで、 それも一番前のドーム状の視界のいい席を確保しようと必死だったのですが、 なかなかそうはいかなかったこともいい思い出です。 今でも、幼稚園の先生が手動で折り畳み式のドアを開閉する音が耳の奥でこだましてますよ…。
お見せしているミニカーはトミカを改造したモノです。ライトバスのアイテムとしては 一番おなじみで、レギュラーではなぜか実車には無いピンク&クリーム色で発売されてました。

ピンキングカーはこちらの「レッツゴーピンキー」というサイト内の記事に掲載の写真のように、 ライトバスのフロントにピンキーっぽい目やクチビルのディテールを加え、 サイドには花柄の装飾を施し、リアには舞台を思わせる出窓も付いています。 そのあたり詳しく解説すると、リアの天井に付いている円筒形のモノは、ジャケット写真から考えて、 天幕を巻き込む仕掛けで、リアの窓の部分を改造して観音開きのドアを付け、 合わせてちょっとした舞台、あるいは物品販売窓口みたいにしてあるんだと思います。 ただ強度的に後ろ部分を開閉できるドアに付け替えるのは難しそうなので、 ボディはそのままで窓だけを開閉可能にし、外側に四角い枠を取り付けて、 窓を通していろいろ物販できるように改造してあったのかも知れません。 そして天井前部には天窓が、中央には折り畳み式の台が付いており、 ジャケット写真ではそこを持ち上げて洗濯物を干してるのは、生活感あってイイですよねぇ(笑)。 実はリアと右サイドの資料が全然見つからないので、今回の改造ミニカーは未完成ですが、 バスカテゴリー充実のため、『人気家族パートリッジ』を紹介した流れで御題に取り上げました。
そんな訳で未完成なんで三面図も無しですが、フロントだけはお見せしましょう。
 さて、似てますでしょうか? 写真撮ってみると吊り目加減ですねぇ…。 実は瞳は両面テープで貼ってあるだけなんで、調節は可能なんで、 資料が見つかって再チャレンジするときは調整することにします(笑)。
いろんな意味で先進的だったこの『青空にとび出せ!』ですが、いささか早すぎたのか、 それともピンキラのスケジュールを押さえきれなかったのかは定かではありませんが、 2クール26本で終了しています。そしてその回のサブタイトルが「さよならピンキー」というのは、 その後のピンキラの分裂を考え合わせると感慨深いものがありますねぇ…。 主題歌で探し求めていた微笑みの国ははたして見つかったのかどうか、 その答えは簡単には出ないでしょうが、昨年夏から今陽子の芸能生活40周年記念として 期間限定とはいえピンキーとキラーズが再結成されたということは、 案外その答えは近くにあったのかもしれないと思う今日この頃です…。
最後に貴重な記事に快くリンクを許して下さったレッツゴーピンキーの管理人であるアトムズさんに 心からお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。m(_ _)m
※今陽子さんやピンキーとキラーズの情報が満載な レッツゴーピンキーのtopページは こちら です。
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