メーサー車の登場により、みごと大団円を迎えた当ブログの東宝自衛隊記事でしたが、 サンちゃんとガイくんの特設ページに1カットだけ登場したけど未紹介のブツがあったので、 フォロー企画として今日の御題に取り上げます。 それは何かと言うと、ガイくんを自衛隊が取り囲んでいるカットで空に飛んでいたヘリコプター、 シコルスキーS-55A「はつかり」です。実はこれ、以前、覆面えるサンから御紹介された限りでは ちょうどいいトミカサイズ程度のが無いようだったので、テキトーな図版を加工し、 合成して使っていたのですが、それではイカンと思い直して完全スクラッチビルドすることにしました。
そのはつかりはこういう形をしています。ナスビというか、カピバラというか(笑)、 ちょっとひしゃげたような楕円のコックピット回りがかなり印象的です。
カワイラシイ外見に似合わず(笑)、このヘリは12.6mとけっこう大きなボディを持っているんですが、 それは『サンダ対ガイラ』で、室内にズラっと座っている自衛隊員を見ても納得で、
見えてるだけで十人の隊員が乗っているからけっこうな広さがあるのが解ります。
『キングコング対ゴジラ』のラストで、高島忠夫と佐原健二がゴジラとコングの戦いを実況してるのも このタイプのヘリコプターからで、その時はコックピットが写る訳ですが、
その背後に見えてる奥や下部にこれだけの空間を有していた訳ですね~。 普通のヘリコプターなら室内の広さはこんなものだから、 その下部にこれだけの空間があるなんてことは今回調べて初めて知りました(笑)。
今回の制作は完全スクラッチなので、本当なら図面を引くところから始めるべきなんですが、 プラ板を何枚も張り合わせた塊から削り出す「積層」という手法を使おうと思ってたので、 大まかな形を直接プラ板にマジック書きし、あとは目分量のその場作業でやっつけます(爆笑)。 プラ板は以前買ったものの厚すぎて使い勝手が悪かった1.5mm厚のモノを使用しています。 この厚みが積層には有利に働き、張り合わせる枚数が少なくて済んだのは好都合でした。 コックピットの部分が突出しているので、削り易さを考えてそこを別パーツとしました。 そしてボディ部分のプラ板の塊を大きな平ヤスリでひたすら削っていきます。
ある程度形が出来てきたら、コックピット部分と張り合わせて、 今度は全体のバランスに気を配りながら形を整えていきます。
ここでも平ヤスリがメインですが、部分部分では目も幅も小さめのダイヤモンド角ヤスリも 併用しながら作業を進めました。
だいたいの形ができたら、今度は前から撮影した実物の写真と、 同じようなアングルから撮った撮影用プロップの写真を見ながら、ボディの丸みを調整します。 側面はけっこう直線的なラインだったので、このまま角を削っていけば充分だと思っていたんですが、 やはり実物と見比べると丸みが足りないので、パテを盛って形を整えることにしました。
ポリパテの買い置きが無かったので、普通のタミヤパテを使用。 と言うことは、固まるまでこのあと、半日から一日は作業が進まないことになりますが、 ま、それはしかたないでしょう。ちょうど8時間ほど連続作業だったので、1日目はこれで終了です。
翌日、なんとか固まったパテは充分削り作業に耐えそうな状態になってましたが、 下地を充分に整えていたのが幸いして、それほど削り込む必要はなさそうです。 結局、丸みをより持たせるために両端部を軽くペーパーがけする程度で済みました。
ある程度形が出来たので、雑に塗装してみます。小さなものをフルスクラッチする時に 私はいつもこうしているんですが、、それは実際の色にしてみることで、 下地のままでは気づかなかったことが見えてくることが多いからなんです。 今回も荒塗装により、先端や各部の丸み出しがまだまだ不十分で、 不自然な線が浮き出ることが解ったので、ペーパーを使ってひたすら磨きをかけました。 台座の床に見えてる粉は削ったプラ屑なんで見ないふりをしてください(笑)。 前の写真にも大量に写ってるけど、この粉、一部は溶きパテとして再利用させてもらったんですが、 かなりの量が扇風機の風に乗り室内に飛び散ってナンギです。('A`) 暑さをガマンしてないで、もっと早くからクーラー入れれば良かった……_| ̄|○
ローターもプラ板を削って作りました。正確な形が解らないんで、例によってイメージモデルですが、 一応、羽根の数は3枚と本物に合わせてあります(笑)。
あとはもうひたすらボディ仕上げの地道な作業です。半日くらい磨いて、かなりキレイになったので、
もう一度仮塗装してみたら、今度はいい感じだったので、 デカールを貼って一応この部分はフィニッシュです。 このデカールはウェーブのメーサー車の付属品で、「サービスデカール」と称してた部分ですが、 「適当なミニカーから指揮者を作れ」と我々をそそのかすだけあって、 ちゃんとあの映画に必要なデカールはほとんど網羅してあったんですね~! しかもそれを声高に語ることなく、こっそりと忍ばせてるあたり、本当のプロの仕事だと思います。 よく見ると箱絵にも「はつかり」飛んでるし、いや本当に素晴らしい(笑)。 このキットを担当された、当時ウェーブ在籍の山本直樹さん(マンガ家とは別人)、いい仕事してます!
このサービスデカール、存在を全然認識してなかったのに、計ったようにジャストフィットサイズ! やはりHOスケールのメーサー車に釣り合わせて作るとこんなものだよなぁという、 私の目分量の確かさに自信が持てました(爆笑)。
あとは車輪部分の取り付けとディテールアップです。後輪は細い支柱に支えられているので クリップを曲げて加工し、その支柱を作り、車輪はプラ板で表現しました。 別に走らせる訳ではないので、回転機能はオミットです。 前輪は太めの脚なので、ツマヨウジを削って作り、やはりタイヤはプラ板で作ります。 地面に対し、垂直になるように角度を調整しながら張り付けましたが、 やhり強度的な問題から、少し厚めに瞬着を塗る必要があったのは残念でした…。 後ろのサブローター等もプラ板で作って張り付け、 窓の表面にはプラセメントの厚塗りでガラスを表現します。
仕上がりはこんな感じで、全長9.2cmなんで、約1/115になりますね。 もうちょっと大きくてもよかったけど、トミカサイズなんでこんなもんでしょう…。 サイドから見た時、もうちょっと鼻先に丸みを持たせて、下を長めにした方がいいような気もするんで、 それはいずれ修正する事にしましょうかね…。
※追記…時間がとれたのでさっそく修正し、メイン写真と三面図入れ替えました。 前のバージョンが見れた人はある意味ラッキーだったってことでw
でもこのヘリコプター、あらためて形をじっくり見るとやはりカワイイですね~。 で、ひょっとして、この形ってコイツに似てませんか?
そう、『きかんしゃトーマス』登場のハロルドです。こいつのベースが何なのか 調べたけど解らなかったんですが、このカピバラ頭はどう見ても、そうですよね~。 やはりトーマス恐るべし!(爆笑) で、「最初からハロルドをベースにすれば良かったんじゃ?」つうのは禁句です。 このあたりにはたぶん売ってないし、そこそこコストかかっちゃうじゃないですか!
つうことで素晴らしい大オチがついたところで、ほとんど模型誌ノリの今回はこの辺で~!
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