ボーイング社が製造中止したため、富士重工にライセンス生産させていた自衛隊の戦闘ヘリ AH-64D アパッチ・ロングボウが1台200億円超のコストから、調達中止になるというニュースが 1ケ月くらい前に流れてましたが、これは当初60機程度を1台60億円で生産させようとしていたところ、 結局10機以下しか注文できなかったため、設備投資費がその少ない台数での頭割りになった結果 付いたプライスだそうです。予算も立たないウチから60機の調達を考えた担当官が大アフォで、 そもそもそんな少ない台数しか発注できないなら富士重工に生産させる意味はあったのかと 責任を問いただしたくなります。自衛隊の内部にはこの種の無駄遣いは数限りなくあり、 ただでさえ多くない国防予算を浪費してるんだから、本当に頭の痛い問題です。
 このニュースにちなんで、今日の御題は戦闘ヘリにしようと思いますが、 戦闘ヘリの研究は1950年代から始められ、以前紹介のシコルスキーのUH-34(はつかり)等に 武装を施した機体で実験も進められたようですが、当時の機体の安定性やスピードの問題等から 実用化までには時間がかかり、初のヘリ主体の戦闘はベトナム戦争時だったそうです。 なるほど密林での作戦では飛行機は空爆以外では使えないし、車輌も限度があります。 それにヘリの欠点である戦車やミサイル等で狙い撃ちされる点も、木々をかすめて飛ぶ作戦なら、 そう簡単には撃墜されないでしょう。この時多用されたUH-1の成果と問題点を参考に、 「既存のヘリコプターに武装を後付けした機体ではあまり成果が上がらない」との判断が下され、 UH-1の機関系を基にベルが製作したAH-1が「世界最初の戦闘ヘリコプター」と呼ばれています。
さて映像作品での武装ヘリコプターと言えば、古くは1976年のラウレンティス版『キングコング』の クライマックスに登場した機体が印象的ですが、これはUH1でした。またAH1はゴジラ映画を始め たくさんの映像作品に登場しているので、いずれまた独立して取り上げる予定です。
 そして1983年の『ブルーサンダー』に登場するこのブルーサンダーこそが、 「戦闘ヘリコプター」という存在にスポットをあてた機体で、 パイロットの首の動きに連動して動く機首に備え付けられたマシンガンや ローターの騒音を消してしまえるサイレントモード等の、 この作品でフィションを織り交ぜて語られる魅力的なメカ描写が、 戦闘ヘリコプターをメジャーな存在に伸し上げたと言っても過言ではないでしょう。 これまでの一般的なヘリのイメージと違う鋭角的なフォルム、尾翼に内蔵されたサブローター、 あたかもジェット推進力を持つかのようなボディ上部のバルブ等、 どう見ても映画のために作られた新鋭機のような感じを与えるこの機体ですが、 実はSA341G Gazelle という1973製のヘリの風防を鋭角的なモノに替え、 数々の武装を追加しただけの機体で、前部のターレット式マシンガン等の追加でヘッドヘビーになり、 実際にはかなり操縦しにくい機体だったとか(笑)。
 こちらがそのガゼールですが、なるほど風防以外は基本的に同じ形です。 この丸っこい風防をエッジの立ったモノに替えるだけであれだけイメージが変わってしまうんだから この映画のデザイナーは本当にいい仕事をしてますねぇ…(笑)。
 ブルーサンダーが操縦しにくかったということは、劇中の最期の空中戦で出てくる 武装されたヒューズのOH6の方が、改造個所は左右のマシンガン程度でバランス良さそうなので、 実は操縦性は上だったのかも知れませんね(笑)。
ブルーサンダーの模型関係は、当時はモノグラムの1/32 のプラモデルが有名でしたし、 TV版に準拠した大型のtoyもMultiToysから出ていました。 ダイキャスト製はあまり無く、マッチボックスから胴体を寸詰まりにしたような形のが 無版権で出ていましたがカッコよくないのでスルーし、 イギリスのTOYWAYというメーカーからはトミカサイズの、こちらはわりと正確なプロポーションのが やはり無版権で出ていたようですが、こちらは実物を見たことはありません。
 今回お見せするミニチュアはトミカサイズのプラモデルです。これは韓国製のキットで、 箱が今手元に無いので憶測ですが、1/32のキットを出していた Kitechというメーカーのモノではないでしょうか? 1/32のキットもモノグラムと同じスケールだから 提携なのかコピーなのか、さてどっちなんでしょうね?(笑)。 ボディは左右張り合わせなので、作例ではパーティングラインが消し切れてませんね(笑)。 なんどかやり直して少しはマシになったのが現状ですから、どうもすんません(笑)。 全長9.8cm程度のオマケキットなので、細かいディテールには見るべき所はありませんが、 大まかなプロポーションは良くつかめてるんじゃないかと思います。 なお武装やディテールは写真を見ながらかなり追加してあり、元キットよりはマシになってます(笑)。 また色は本当はダークブルーなんですが、写真を撮ると黒にしか見えないので、 やや明るめの青で塗装してあります。
 まぁこれだけでは何なので、ついでにOH6改戦闘ヘリもお見せしましょう。 こちらはダイソーで売ってる100円ミニカーをリペし、自作したマシンガンを追加したモノです。 全長約8.5cmで、コレも左右張り合わせだったので、フロントの継ぎ目をなるだけ消すように 心がけました。迷彩はテキトーなんで画面と見比べてはいけません(爆)
では2台揃ったところで、最後に久しぶりのお遊び特写(笑)。 ラストのブルーサンダーvsOH6のチェイスシーンです。
 お遊びとは言え、ベトナム戦争時の上官であるコクレーンと、主人公マーフィーの 戦闘ヘリでのタイマン勝負という、この兵器の歴史をも感じさせる名シーンなんで、 背景はそのまま映画の素材を使いました。 いつもならローター部分にもう少し効果を加えるんですが、 せっかくの機体が見えなくなりそうなので今回は最小限にしています。
テーマ:ホビー・おもちゃ - ジャンル:趣味・実用
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