 今週の御題も『タイムボカン』です。当初2クール半年目安で制作開始されたこの作品、 好評につき延長が決まりました。27話で当初の目的の一つだった木江田博士が帰還するのも 初期のプラニングの名残で、最終回のつもりで盛り上げてきたモロモロの要素を 空中分解させないための措置なのかもしれません(笑)。 この「木江田博士を発見だペッチャ」というオハナシはかなりの異色編で、 太古の日本の富士山の近くで遭難している博士の元に、 昆虫人間が操縦するバッタ型タイムマシンがイキナリ現れます。
 彼らは博士を拉致して現代へと戻り、ボカンチームがちょうど過去へと向かっている最中で もぬけの空の研究所を襲いますが、それを救うのは意外にもマージョ一味でした。 彼女的にはあくまでもダイナモンドの在処を聞き出すため博士を奪おうとしてなんですが、 アルマジロ(?)メカからの光線であっさり昆虫人間を全滅させてしまいます。 かくして今度は三悪の手に落ちた博士ですが、ダイナモンドの在処を聴かれ、 三悪が憎しのあまりに「地獄の三丁目にゴロゴロしとるワイ」とタンカを切ったところ、 素直に信じた三悪に地獄へと連れ去られてしまいます (゚ロ゚ノ)ノ!! え~っ、この世界、地獄とか平気であるの~!
一方、丹平と淳子は博士がいない野原で途方に暮れ、淳子は感情が抑えられず涙を流すんですが、 なんとこの時、淳子は花を摘みながら悲しみの歌を歌います。
 声優さんの歌が挿入歌としてバックに流れるんじゃなくて、淳子が泣きながら歌うんですよ! これなんて青春ミュージカル? とビックラコイテしまいますた。(・∀・)
今でこそ、キャラクターの持ち歌もアタリマエですが、この頃は珍しかったんじゃないかなぁ? まして劇中で歌うなんて他に何かあったっけ?(笑) お姫様声の岡本茉利さんならではでしょうが、当時は声優のアイドル化も始まりつつあったんで、 プロダクションが強烈プッシュしていたのかも? もっともこのキャラクターの名前の「淳子」ちゃんって、桜田淳子からとったらしいんで、 全体が壮大なギャグだったのかも知れませんが。(°∀° )
岡本さんは1970年の『いなかっぺ大将』のキクちゃん役が声優デビューなので、 キャリア40年の大ベテランですが、実はその当時17才なんで『タイムボカン』の時も 22才のまさに当時のアイドル年代だったワケですね。
 声優以前から女優としてのキャリアをお持ちで、あの寅さんの『男はつらいよ・寅次郎恋歌』で、 山田洋二監督に気に入られ、以降山田組の常連となっているし、 今日では大衆演劇の沢竜二劇団で活動されてるようです。 まぁたぶん、舞台では地声でやってらっしゃるんだろうけど、 もともと日本の町娘的ルックスの方なんで、時代劇お似合いでしょうねぇヽ(´ー`)ノ
さて、話を『タイムボカン』27話に戻すと、 現代に戻ったボカンチームは、三悪の後を追って地獄へ向かいますが、 先に三悪共々捕まっていた博士は「地獄にダイナモンドがある」とウソを吐いた罪により、 閻魔大王から「舌ヒッコ抜き」の刑を宣告されてしまいます。
 「これにはワケがあるんじゃ…」という博士の言葉にも全く聞き耳持たないエンマ様、 さすが、パネぇっす!(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
まぁここから後はメカブトンとアルマジロメカの激突になるんですが、 灼熱地獄の溶岩の中にちゅうちょ無く博士ごと敵メカを突き落とす丹平ちゃんもかなりキテますw
 幸い、アルマジロメカが熱に強かったんで無事でしたが、博士の身を案じてねぇ…_| ̄|○ そのくせ、最後の決戦ではもう博士が中にいないのは解ってたので 「博士がいないと存分に戦えるな」とか言って、敵にミサイルブチ込んでるし、 なんか今回の丹平ちゃんってば、言動がとってもMADで、 淳子ちゃんのあの青春ムード歌謡が、かなり脳にまでキテたのかな?(爆) で、最後に取り残されて庭先に放置されっぱなしだったバッタ型タイムマシンに みんなで注目するところで終わるんですが、これがタイムドタバッタンとして 実戦配備されるのは、29話の「枯木に花を咲かせるペッチャ」からです。
そこで29話も観たんですが、な~んと、イキナリ母艦3号のタイムクワガッタンも 完成してるじゃありませんか (゚ロ゚ノ)ノ!!
 それだけじゃなく3台が揃って格納されている移動パレット式の発射台も整備され、 ほとんどもうサンダーバード基地と化してます(笑)。 おお、なんと極端な強化案でしょうか! たしかこのあたり本放送時には、 毎週見てたワケじゃないんで、しばらく見ないうちにメカは増えてるわ、 単に温室にメカブトンを置いてあっただけの基地もソレっぽくなってるわで ビックリした記憶があるんですが、毎週見てても結局、驚かされてたんですね(苦笑)。
フツー、2号メカ登場の際はワンクールはそれで盛り上げて、オモチャも売って、 売れ行きが落ちる頃に3号メカを投入すると思うんだけど、イキナリのフル装備(笑)。 本放送時にはこのあたりは76年春頃のはずだから、クリスマス商戦絡みで漸次投入が できなかった訳でもないだろうし、さすがは当初3年くらい、パイロットフィルムは 作ったけどスポンサーがつかずに宙ぶらりんになってたにふさわしい タツノコのショーバイの下手さですね(苦笑)。
 今回紹介の模型も前回と同じ「タツノコメカアクションビーグル」です。 このメカの場合、脚部が伸びるんでどう計ったらいいのかビミョーですが(笑)、 約16cm程度の硬質プラ製で、実はこの時はメカブトンとドタバッタンの全2種ラインナップで、 クワガッタンが無いという中途半端さは、タツノコのショーバイ下手の伝統でしょうか? そんなにボカンのオモチャに詳しい訳じゃないけど、 そもそもあのフル装備の基地って商品化されたことあるのかな~?(爆笑)
 こちらも内部に未塗装のシャクトリンが収納され、口を開けて出撃させることができます。 たぶん、このイメージが『ヤッターマン』のゾロメカに発展したんでしょうね。ヽ(´ー`)ノ
 かくして、メカフェチにも受ける要素が強化された『タイムボカン』でしたが、 この強化案、はたして効果的だったんでしょうかねぇ? 確かにこの後もまた放送延長されて、結局は全61話も続き、 さらなる人気爆発作の『ヤッターマン』以降も生み出す結果を生んだ訳ですが、 なんかノホホンポヨヨンのボカンらしさが薄れたような気がしないでもありません…。
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