 今、一番アツいアニメとしてテレビ東京系及びnet配信で放映中なのが 『真マジンガー~衝撃!Z編~』です。
公式サイト http://www.shin-mazinger.com/
 言わずと知れた『マジンガーZ』のリメイクで、2001年から2003年にかけて8本作られた 『マジンカイザー』以来のマジンガーのアニメです。 マジンガーZとその仲間たちが繰り広げる物語に関しては、オリジナルの永井豪のマンガや 東映アニメ版のアニメを知っている人なら『マジンガーZ』→『グレートマジンガー』→『グレンダイザー』と 続いていくシリーズをよく御存知でしょうが、マジンガーには本来『グレンダイザー』の前に 永井豪が考えていた「ゴッドマジンガー」があり、 グレートマジンガーが倒された後に兜甲児が造ったゴッドマジンガーが新たなる魔神として 光臨するはずでしたが、なぜかこの企画は映画の『宇宙円盤大戦争』のTV化である 『UFOロボ グレンダイザー』に変更されてしまいました……。
 ゴッドマジンガーは1984年にタイトルだけをいただいた全くの別物としてアニメ化と漫画化がされ、 混乱を増す要素となっています(笑)。何せ、漫画とアニメでは質感が違って、 漫画では石像、アニメでは青いライディーンみたいに描かれてるんですからお手上げです…。
一連のアニメとは別にゲームの『スーパーロボット大作戦』シリーズがあって、これは元はと言えば、 映画の『マジンガーZ対デビルマン』に始まるダイナミックプロキャラクターの競演話が、 バンダイ(バンプレスト)を制作元とすることでバンダイが版権を持つロボットアニメ全てが 競演可能となった世界観で、もう若い人たちにとってはこのスパロボこそが原典となっています。
 マジンカイザーとはこの「スパロボ」の中でマジンガー系がパワーアップしていく際に、 ゲッターロボやガンダムに比べ限界が早かったのをナントカしようと、 マジンガーZがゲッター線を浴びて進化した姿として1997年に登場したもので、
.jpg) もともとはこのデザインはアメコミ版『マジンガー』(1988)にZとして登場するキャラクター用に 描かれたもので、デザイン的にはグレートに鎧を着せ、複雑化させたようなカタチでした。
 これがウケたので『マジンサーガ』(1991~)というマンガを国内でも描き、「マジンガーZ」として、 ただしロボットでなく主人公の意志に反映して巨大化する鎧として登場させています。 (この作品は初出は集英社『ヤングジャンプ』でしたが、途中で扶桑社に移り、 描き降ろしで単行本も6巻まで出て中断中)
 その次は1998年の小説『スーパーロボット大戦』(講談社)に本来のゴッドマジンガーとして登場させ (前に立っているのが石川賢がデザインをリファインしたゴッドマジンガーですが、 うしろで悶えてる石像風なのが何かと両者の関係は、実際に読んでお確かめ下さい…)、 その1年前のゲームではマジンカイザーとしての登場になるんですが、 ゲームで最後までZで戦いたい熱烈Zファンからブーイングがあったのか、 やがてZとは別の3体目のマジンガーとして設定し直され、
 その新設定で最初に触れたOVA(2001~2003・バンダイビジュアル)も作られましたが、 OVAの世界観が、かつての東映アニメ版とは少しずつずれ、Zはただのデクの棒、 グレートはドクター・ヘルの機械獣に苦戦し暗黒大将軍には手も足も出ないという、 かつてのZの役割になってしまってました。 そのため颯爽と登場したカイザーが昔のグレートの役割でしかなく、 「魔人皇帝」とやらも大したことないなぁと失望を感じてしまうありさまで、 せっかく主要キャストをオリジナルの声優で固めてるのがなんとももったいない作品になってました。 OVAとの連動で永井豪によるコミックも描かれましたが、読み切り短編なので 尻切れトンボに終わっています。
尻切れトンボと言えば、『マジンサーガ』もそうだし、1998年にやはりその時にあった アニメリメイク企画と連動させようと一足先に連載開始した『Zマジンガー』があって、
(海外版3巻表紙) 講談社の『マガジンスペシャル』に連載されたこの作品では Zのデザインをちょっといじったのはまだいいとして、マジンガーとはギリシアの神ゼウスの イメージを継承する神のロボットで、超合金Zとはそのゼウスの鎧を元にした金属であるとの トンデモ解釈がなされるという、はっきり言ってトホホな作品で、アニメがとん挫したんで、 これもまた中断ですが、まぁこっちはラッキーでした!(笑)。
このように主な作品だけ拾っても複雑怪奇な広がりを見せるマジンガーワールドですが、 今回の『真マジンガー』は監督を担当するのが、その作品の名前だけ借りて、原作者の他の作品の キャクタターを総動員し、全く違う作品世界を作る上げることばかりやってる今川監督だけに、 純粋なファンとしては不安です。今川監督による『ジャイアントロボ』や『鉄人28号』のアニメ化は 本当に酷かったので、横山作品には二度と関わって欲しくない監督ですが、永井豪作品なら、 本家がそういうことをすでに何度もやってるので、ある意味、適材適所かもしれません(苦笑)。
 すでに第1話で、本来なら最終回となるべき暗黒大将軍とマジンガーZ&マジンガー軍団との 大決戦を何の説明もないままに描き、古いマニアにはニンマリ、御新規さんにはワケワカメな状態に 叩き込みました。そして二話から通常の一話からの話を、それも暗黒大将軍との決戦で 一時的に昏睡状態に陥っている兜甲児が見ている走馬燈という、とっても意地悪い設定で 進めているアナーキーさで、あまりに大げさすぎる玄田哲章のナレーションと共に、 好き嫌いの大きく分かれるところでしょう。私は正直、辟易気味で半ば呆れながら見てますが(笑)、 今川作品や『グレンラガン』が好きな人ならハマること間違い無しです。
 今回はメカデザインを大きくはいじってないところには好感が持てます。 胸の黒い部分に突起付き、放熱板の先端は尖らずに切り落としと、
 こちらの集英社版単行本3巻の表紙にも見られる原作初期のスタイルに近いですが、 もっともオーソドックスなマジンガーZですね。 「~衝撃!Z編~」と副題が付いてるし、1話で昏倒しかかってる甲児に呼びかける 「ブレード」と呼ばれる男性と、鋭角的なマジンガー的シルエットが登場してるんで、 Zを救う新マジンガーの登場は間違いないところでしょう。 ただそれがオーソドックスにグレートマジンガーなのか、 あるいはマジンカイザーか、はたまたゴッドマジンガーなのかは わざとミスリードさせる天才、今川監督だけに予断を許しません(笑)。
 ではここでようやく、ミニカーの解説を(笑)。 全長約9cm、翼長8cmのダイキャスト製で最初期ポピニカの、 というより、「ポピニカ」の前のミニミニホバーパイルダーと呼んでいた頃の商品です。 もちろん、初放送当時の商品ですが、デッドストックが大量に見つかったせいで、 箱付き新品でも5000円くらいで見つかることもありますが、 私のはつい最近、ジャンクを500円で買って再生したモノです(笑)。 推進用ジェットエンジンが1個欠けてたのと、銀メッキが剥げていた以外は それほど程度の悪くない個体で、500円なら充分です(・∀・)。 これがジェットパイルダーとなると、こないだオクで空箱だけで万単位付いてたんで、 解らないもんですよねぇ…。ジェットって、そんなに生産数少なかったんでしょうか?
(参考資料) ホバーパイルダーは今ではポピニカ魂の方でもっとデキがいいのが出てるので、 新規のファンの方はそっちを買った方がいいと思います。合体用のマジンガーヘッドも出てるし…。
ただ私は、1972年当時を知る者として、昔の超合金と並べたかったので、 ミニミニパイルダーの方にしました。 つうことで、オモチャ解説の最後に当時の超合金マジンガーZ (と言っても顔のいい最後期版ですが)との2ショットを御覧にいれましょう。 どちらも「魂」版の方ができはいいんだけど、この2つには同時代製という かけがえのない利点があるんで、私はこっちの方が好きです。ヽ(´ー`)ノ

話を『真マジンガー』に戻せば、もともと今川監督の作風が嫌いなせいもあって、 全面的に大絶賛とはいかないんですが、この『真マジンガー』、目が離せないことは確かです。 どうかみなさんも、毎週土曜23時20分のTV東京系でのオンエアか、 そのあと0時くらいから開始される無料配信版で御覧下さい。 憎いことには、配信版の方が5分くらい長い内容になってるんで、 手軽なTVか、長いけど画面は小さい配信かを迷うところなんで、 好きな方は見比べてカットシーンを捜すのも一興かと思います。
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