 今日は『仮面ライダー』の2回目で旧サイクロンを御題にします。 なんでこっちから始めなかったのかというと、ポピニカ(改造)サイクロンの方が商品としては 先に出ていたことと、旧サイクロンには謎が多く、前回のDCD映画版と2本立てでは 語りきれない危険性があったからです(笑)。
ということで改めましての旧サイクロンですが、やはりこっちこそが本物のサイクロンという感じで 当時から今に至るまでずっと一番人気なのも当然です。 それなのにこのタイプ、本放送当時はあまり玩具化に恵まれませんでした。 ちょうどブリキ玩具の黄昏時期にあたっていたし、形が流線型でそれっぽかったため、 ブリキ製のモノは出たんで、最初に出た50円のに飛びついたんですが、 バイクとライダーが一体化したそれはあまりに不格好でチープでした。
 当時モノで満足できる出来映えの品といえば、バンダイのプラモデルでしたが、 この当時のバンダイ模型のカタログでは模型の写真の上段に載ってる 当時1日20円のおこづかいを3日ガマンすれば買える50円のや、 その上のクラスの250円のプラモは、ライダーがサイクロンに乗ってなかったんですよ! 写真下段の500円ゼンマイ動力キットはしっかりライダーがまたがっていて、 大きさプロポーション共に最高の出来映えの素晴らしいキットでしたが、 小学生が25日も何も買わずにガマンできるもんかよヽ(`Д´)ノウワァァン!! この種のプラモは当時は売れたらそれっきりだったので、学校帰りにお店のウインドウ越しに 毎日のようにジト目で眺めてる私の前から、そのうちに姿を消してしまうのが日常でした…。 戦車のとこで書いたように、極まれに父親やそのヨッパライ仲間が買ってくれることもあったけど、 そんな奇蹟はめったに無かったですねぇ……。
 で、結局、自分の元に旧サイクロン玩具が来たのはそれから25年経ってからで、 最初にお見せしている1996年発売のダッシュバイカーセット付属のモノが最初でした。
 これはアクロバッター風の巨大な基地から、ライダーが乗ったバイクが打ち出されるオモチャで、 ポピニカサイズで旧サイクロンが製品化された最初だったと思います。 雑誌で発売を知った私は、巨大ステーションも、他に付属のV3&ハリケーンも、 RX&アクロバッターも不要でしたが、旧サイクロン目当てですぐに買っちゃいました(笑)。 硬質プラ製で約10.3cm、関節可動の人形が付いてるのはいいんだけど、 乗せると3面図写真のようになんともみっともない状態になるから、 これはむしろ乗ったポーズで固定されて方がよかったような気も……。
(参考写真) この後、バンダイからいろんな企画で旧サイクロン玩具は発売され、 写真のポピニカ魂やメタルメカコレクション、はたまた食玩のライダーマシンコレクションのモノは すばらしい出来映えだと思いますが、やはり最初ということで今回はコレをお見せしています。
 実車の旧サイクロンは、ベースはスズキのT-20(左)、またはT-250(右)といわれています。 劇中では本郷の乗るバイクが変形するように描写されてますが、 あのバイクは実はあのシーンだけのシロモノなんですよね(笑)。
 この写真では明かですが、なんと前輪の無い、たぶんエンジンもかからぬスクラップなんです(笑)。
 あの最初期の、サイクロンを使っての変身シーン、 「本郷が白いレバーをひねると両脇から白いカバーが飛び出してカウリングを形成し、 サイクロンへと姿を変え、いつの間にかライダースーツをまとった本郷の頭に仮面が装着され、 光り輝いて高速走行に移る」というあの一連のシチュエーション、 当時、あのシーンのカッコヨサにしびれなかった男の子はいなかったでしょう。 でも、変身前はいわゆる常用サイクロンに乗っていたというのは前回お話しした通りで、 あれはホンダのSL350K1なんでメーカーからして違います(笑)。 では、この撮影に使った前輪の無いバイクが何かというと? タンクが細いのでスズキのT-20でもT-250でもなさそうですが、デザインが共通なので 同じ頃のスズキのバイクの排気量が小さいモノなのかも知れません…。
 旧サイクロンにはカウルの違いが3種類あることはよく知られています。 カウル正面のタイヤ部分の上に完全な四角い窓があるモノ(写真左)、 その窓部分の下が切り裂かれたモノ(中央)、完全に窓が無くなったモノ(右)がその内訳で、 最初の2つは、変身のバンクやタイトル部分にしか出て来ないし、 完成形である窓無しタイプでは脇の赤いストライプが、短くなって先の方を消したような感じなので、 当初は窓付きで撮影するつもりが前輪に引っかかったので、まず下を切り裂いて、 それでも、たぶんフロントフォークが沈み込んだ状態でハンドル切ったら引っかかったとかで 走行に支障があったので、ついには窓部分を完全に削り落としたのではないかとする説が有力です。
そしてさらに、旧サイクロンには1台だけだったのか、それとも2台あったのかという謎もあります。 関係者の証言では1台しか無かったという人がほとんどです。 しかし一部の資料本で2台説を唱えてあり、根拠はライトとライトの間の間隔が違う写真があるとか、 ライト部分とカウル本体にギャップや溝が見える個体とそうでないのがある、 ということらしいんですが、ライトの間隔は計った訳じゃないと思うし、 ギャップのウンヌンに関しては、白は光の当て方によってはディテールを飛ばして写ってしまうんで、 これもちょっと弱いです。 二台並んで写ってる写真があれば決定的なんですが、見たことはありません。 それに旧サイクロンのカウルは原型から作られたハンドメイド品なんで、 型からまた抜いたとしても、窓付きの状態でしかできてこないはずだから、 それをまた削りこんで完成品にするのはすごい手間だと思うんですよ。 予算も時間もギリギリだった、あの番組の最初期に、はたしてそれをやるかなぁ? というのが正直な感想です…。
このあたりどうか情報お持ちの方はお教え下さい。m(_ _)m
この旧サイクロン、一文字編に移ってからもしばらくは登場しますが、 やがて改造サイクロンに変わってしまいます。 新1号編で登場する新サイクロンの場合は新マシンとして登場編をやりますから、 あくまで劇中設定では旧サイクロンと改造サイクロンは同じマシンだと思われます。 一文字編では第1話であからさまな後付のリモコンボックスが付いていることは みなさん憶えてらっしゃると思いますが、その他にも違いがあります。
まずこの写真を御覧下さい。
 バックに写っている球体モニュメントは伊豆シャボテン公園にあったモノなので この写真はサボテグロン編で取られたモノだと解りますが、 ここでは旧1号編の完成形と違いは見つかりません。
 ところがこちらの2号編の中期に撮られたと思しい写真になると、 側面の立花レーシングチームのマーク辺りが切り裂かれて、中身が露出していることが解ります。 ドロか何か詰まってメンテしにくかったか、あるいはこの辺りはキックペダルが来る場所なので、 それ絡みでここを覆っておくことに何か支障が出たんでしょうね…。
と、このように旧サイクロンには謎がいっぱいなので、何か新しい写真を見るたびに しげしげと見つめてしまい、その瞬間がまたとっても楽しかったりするのです。ヽ(´ー`)ノ
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