いつもはミニカーの写真から始まるのがフォーマットな当ブログですが、 今回はちょっとパターン崩しで、まずこの動画を御覧ください。 ニコニコ動画より、虎PプレゼンツのSD戦争歌謡w第3弾「KAITOの哀戦士」です。
※ニコ動が見れない方はこちら
過去2つの動画もすごかったですが、これはもう一つの究極をいってますね! 第一弾「ぱんつぁーりーと」から第二弾「スターリングラード冬景色」までが2ケ月で完成したのに、 それからこの第三弾の完成までは半年を要しているのが納得の高密度動画です。 「はちゅね帝国とアキータ連邦の戦場に紛れ込んでしまったKAITOの、アイスもとい 哀愁あふれる奮闘ぶり」を描いた動画ですが、お笑いを越えた一大スペクタクルです。
 そして、この動画の最後に出てくるビグザムみたいな超巨大戦車、これが今回の御題です。
 つうことでやっとミニカーの写真登場ですが、この戦車はソ連のT-35(動画のはその巨大版)です。 ソ連が密かに建造してた最新秘密兵器、じゃなくて、なんとこれ実は1933年という 2つの世界大戦の狭間に制作されたものです。いくつもの砲塔を持つこのタイプの戦車は、 1925年にイギリスのヴィッカース社が開発したA1E1インディペンダント重戦車が最初で、 その偉容に驚いた各国の首脳は競って同じタイプの開発に乗り出しますが、 時同じくして巻き起こった世界恐慌によって自由主義社会では開発を断念してしまいます。 共産主義のソ連だけは恐慌の波が押し寄せなかったので、そのまま開発を続行し、 ついに完成を見たのがこのT-35を初めとする一連の多砲塔戦車群ですが、 中でもこのT-35は前方に3門、後方に2門の計5門もの砲塔を持つまさに陸上の戦艦という感じで、 試作品のみに終わることが多かった多砲塔戦車の中では最多の、全63両の生産量でした。
このT-35が実際に動いている動画があるのでどうか御覧ください。
なんか雪の中をけっこう機敏に動いてる感じですが、早回し疑惑もあるんで 願わくばもうちょっと長い時間観たかった(笑)。
KAITOの動画は大げさにしても、このT-35は全長9.72mと、車体本体の大きさではこれまでの あらゆる戦車の中で最大を誇りました。普通戦車の大きさは砲塔の先までの長さで測り、 ボディそのものの大きさを測るときは車体長等の表記を使いますが、このT-35の場合は砲塔は 車体の外に飛び出さないので、全長=車体長になり、同じソ連の重戦車であるスターリンJS3の 場合でも、全長は9.73mとT-35よりわずかに大きいですが、車体長は6.77mしか無くて、 T-35の2/3強の大きさに過ぎないということですね! 同じソ連の名戦車T-34/85と比べるとどうなるか、当ブログおなじみのコンバットトミカが 同じ1/87スケールなんで一緒に並べてみました。

この写真、最後尾を揃えて並べてあるんですが、それでこんなに大きさが違います。 この巨大さから、さぞ実戦でも強かったんだろうなぁと思いますが、残念ながら、 メチャメチャ弱かったとか(苦笑)。あまりの巨体のため当時のエンジンの性能では力不足で、 装甲を薄くせざるを得なくなっただけでなく、ギア系にも負担かかりまくりで、 途中でエンコしてしまう例も多かったそうです。デカいから敵の砲撃も受けやすくなり、 装甲が薄いからすぐに大破し、なおかつ足も遅くギアも弱いと来ては、 いくら5つの砲塔が睨みを効かせていてもどうしようもありません…。
KAITO動画に出てくる拡大型はきっとエンジンも強化され、結果として装甲も厚くでき、 主砲も85mmやもっと強大なものに入れ替えられてるに違いありません(笑)。 それにあの運用法だと、あの場所から動かすことは考えてないようだから (だってあのサイズじゃ基地から出れないw)、決戦兵器として思い切り装甲を厚くして、 重砲(スターリンJS-3に搭載された122mmのL43みたいなの)を仕込んでいたと 考えることもできるんじゃないでしょうか?(笑)
それに何も戦車砲にこだわらずに艦砲を考えに入れるなら、1914年のカングート級にすでに 30.5cm砲は備えられていたんで、それを切りつめて持ってきた可能性もありますし、
 この実際の写真とKAITOとの比率の差から考えて約3~5倍に拡大されてるんで、 むしろ大胆に考えて、史実では未完成だったソビエツキー・ソユーズ級の主砲である 1937年型 40.6cm砲を持ってきていたと考えた方が面白いかな? えっ、時代が少し合わないって? そんなことないですよ。 だってこの戦闘には一切の公式記録は残ってないそうなんで、いつ行われたのかは解らないし、 そもそもはちゅね帝国対アキータ連邦の戦いなんで、現実の歴史とはビミョーに無関係ですから(爆
 ミニカーの詳細はロシア製のPREMOというメーカーで、スケールは1/87、11.4cmのプラ製です。 本体は完成済みですが、細かい部品は自分で取り付けるようになっていて、 なんとすごいことにこのスケールで全砲塔が周回可能です! この構成でお気づきの方もいらっしゃると思いますがPREMOって、 あのROCOと業務提携してるようで、海外の代理店はROCOが担当していたようですね。
 箱はグレイを基調としたシブいデザインで、オレンジ色のパッケージだったロコとは好対照です。
一時期は輸入模型を扱ってる店ならわりと見かけたロコも、今ではすっかり手に入れにくくなって、 ヤフオクでもほとんど見かけないようですが、なんと最近、HERPAブランドとして再出発することに なったようで、もうけっこうな数のアイテムが本国のサイトには載っています。 輸入ミニカー屋でも取り扱いが始まってるようですが、値段が倍以上になってるのは残念ですね~。
T-35の話に戻ると、主砲塔に付いている手すりと支持バーは自分で組み立てる必要がありました。 これ一体成形なら苦労も無いものを、手すりが細いプラ製で馬蹄型になっており、 そこに長さ約1cmの支柱を、単に接着するんじゃなくて支柱の先に穴が空いてるから、 そこに1つ1つ通していきながら組み立てるようになっていて非常に苦労しました。 だって手すりのバリに支柱の穴が引っかかるから、通しながらヤスリを当てていく必要があって、 削りすぎても力を入れすぎても折れそうだから慎重にやってたんだけど、 ヤスリで押したときにグニャっと曲がって、そのままバネと化して、ピョ~ンと、 部屋の隅の箱なんかがが積み上げてある場所に飛んでってしまったんですよ!(唖然 一瞬何が起こったか解らなかったんですが、やがて大落胆…。 しょうがないからそのあたりの箱やら本やらを全部どけて捜したけど行方不明………_| ̄|○ そのまま数日落胆しきってましたがようやく気力を奮い起こして、手すりを銅線、 一緒に飛んでった支柱をランナーから自作してなんとか形にしたのが今回のこの作例です。
 残っている当時の白黒写真では黒っぽく写り、現存してる最後の一両を撮ったカラー写真では 本体と同じオリーブドラブに塗られてるこの手すりですが、 KAITO動画では金色っぽくも見えるのでその色で塗ってあります。
ニコ動でも圧倒的好評で迎えられたこの動画ですが、このたびめでたく再生回数が10万回を突破し、 「殿堂」入りとなりました。発表から半年が経ってますから、虎Pさんにはそろそろ 次回作を期待したいところで、この「殿堂入り」が良い刺激になってくれることを期待します。
さて、2008年も押し迫って参りました。今回が今年最後の更新になりますが、 みなさま、今年も1年、やたら長い記事だらけのブログをお読みいただきまして、 本当にありがとうございました。m(_ _)m 来年もまた、キャラクターミニカー話におつきあい下さいますことを、心からお願いいたします。 新年度は、いろいろ準備もありますので最初の週はお休みいただいて、 7日か遅くとも10日あたりには更新を再開したいと思います。 でも、過去記事のコメントに対する御返事は、時間をみてさせていただきますので、 お休み期間もどうか御遠慮なく(笑)。
それではみなさま、よいお年を~!
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