今年2回目の更新でまだ1月中なんで、純日本風のオメデタイ乗り物を今回は紹介します。
 それはこの人力車で、映画は『無法松の一生』です。 無法松とは富島松五郎という名で小倉に実在した人物を元にしたキャラクターですが、 幾度となく、舞台化、映像化され、村田英雄によって歌われた 作詞;吉野夫二郎、作曲;古賀政男の歌謡曲も大ヒットし、 典型的な古き良き日本の漢としてイメージされてます。 「無法」とはいうものの実在の松五郎はヤクザではなく、ケンカ好きではあっても まっとうな人力車夫で、本来なら「暴れ松」あたりのアダ名がふさわしいんですが、 それだと、曲がった松の木みたいだから「無法松」にしたのかもしれません(笑)。
 『無法松の一生』の映画化で一番評価が高いのは1943年の阪東妻三郎版ですが、 私は最初に観た映画が1958年の三船敏郎版だったのでその印象が強いです。
 この三船版で未亡人を演じたのが高峰秀子さんで、その知的で上品な容貌は 吉岡未亡人役にピッタリでした。高峰さんは残念ながら昨年末に亡くなられたので、 今回の記事はその追悼の意味も込めていますが、追悼と言えば、有名人が死んだら ビミョーな人がシャシャリ出て故人との思い出話をすることがよくありますよね。 仕事の無い人が故人でも何でもネタにして稼ごうとする根性は大嫌いですが、 『なんでも鑑定団』の鑑定士軍団のもはや総帥格の中島誠之助氏が、『徹子の部屋』で 「姐さんとの話をTVでするのは初めてですよ」とテレながらも秘話を披露していました。 他にいくらでも話すネタはある中島氏だけに、たぶん局に請われて、デコさんとの話を する気になったんでしょうが、そういうエピソード披露は微笑ましいですねぇ…。
 ここでミニカーの紹介で、正月に行ったリサイクルショップで掘り出したブツです。 外箱は無かったので詳細は解りませんが、「花やしき」のロゴが裏に刻印されてるので、 あの遊園地オリジナルのお土産品なのかもしれません。 全長約12.5cmのプラ製でスケールは1/24程度でしょうか? ブルバックゼンマイが仕込んであって 車夫の右足の裏にも小さい車輪が付けてあるので、しばらく引っ張るとこのまま前進します(笑)。 もちろん『無法松の一生』とは関係ない、あの辺を走ってる人力車の模型でしょうが、 人力車と言えば、『無法松の一生』か、または『はいからさんが通る』の丑松で(笑)、 丑松仕様とはどうも細部が違うようなので無法松版としての紹介になりました。 これ、元はいくらだったのか知りませんが、売値はなんとたったの税込み42円で、 正月早々、超安価でコレクションの充実が図れて大喜びだったのは言うまでもありません。ヽ(´ー`)ノ
さて、その豪快さが気に入った三船版『無法松の一生』ですが、実はこの三船版よりも 私の印象に強く残る『無法松の一生』は他にあって、それは漫画のあすなひろし版です。 1969年に『少年ジャンプ』に掲載されたそれを私はたまたま買って読んでいて、 坊ちゃんと同じような年頃だったせいもあって、強い衝撃と感動を受けました。
 特に松五郎の祇園太鼓の暴れ打ちのシーンは漫画独特のディフォルメの技法が冴え渡り、 音は聞こえてないはずなのに、どの映像よりも太鼓の音が心に鳴り響いたものでした。 このあすなひろし版は単行本未収録だったので、当時読んだっきりでしたが、 今では幸い、自費出版という形ながら読めるようになり、 私も5年前に取り寄せて、やっと再会することができ、感動を新たにしたものです。 あすなひろしさんは残念ながら2001年に亡くなられており、 商業的には成功を収めた漫画家とは言えなかったかも知れませんが、 その作品は心の琴線にそっと触れてくれる素晴らしいもの揃いで、熱心なファンも少なからずいます。 同人誌の形態ながらも『あすなひろし作品選集』として 現在まで15冊が発売されているようなので、興味ある人は検索してみて下さい。
 『無法松の一生』はその9巻に収録されています。
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