新版アニメが製作され『美少女戦士セーラームーン』が、実写版終了以来久々に 盛り上がりましたね。この作品によって「セーラー服は少女の戦闘服だ」という認識が 広まりましたが(笑)、実はそれよりはるか前の1981年、セーラー服を着て機関銃を ぶっ放した少女がいました。そのコの名は星泉で作品名は『セーラー服と機関銃』。 という訳で、今日の記事はこちらをBGMにお読み下さい。( ^ー゜)b
『野生の証明』の少女役で注目を集めた薬師丸ひろ子の、 子役から成長した青春スターとしての人気を決定づけた映画で、 とある女子高生がヒョンな事から組員数名の弱小暴力団の跡目を継ぐという、 荒唐無稽の極みの内容ですがそれだけにインパクトは強く、映画の大ヒットはもちろん、 翌年には、角川第3のプリンセス原田知世主演で連続TVドラマにもなり、 2006年には、東宝シンデレラの長澤まさみの初主演TVドラマとしても製作されました。
この3作品の間には25年程開いた計算になりますが、3人の泉がブッ放した機関銃は、 薬師丸ひろ子がアメリカ軍WW2時のM3グリースガン(ハドソンモデルガン)

原田知世はシングルレコードのジャケ写では薬師丸と同じM3ですが、ドラマ劇中では アメリカ軍ベトナム戦争時M16ベースXM177E2アサルトカービン(MGCモデルガン)、

長澤まさみがドイツ軍WW2時のMP40(マルシン工業ABSモデルガン)と、

いずれも古風なマシンガン揃いなのは興味深いですが、80年代前半の薬師丸と 原田版はともかく、2006年の長澤のがMP40ってのはいくらなんでも古すぎます(苦笑)。 サブマシンガンじゃないと重さ的に無理だろうから、H&KのMP5とか、 イングラムでも持たせれば良かったのに…。
最初の薬師丸版では、セーラー服姿で古風な機関銃をブッ放し、その爽快さから 思わず「カ・イ・カ・ン」と泉がつぶやくシーンは、小道具のセッティングミスから 薬師丸が砕け散ったガラスで頬を軽くケガし血がにじむ様子がCMにも使われたので、 この映画のイコンとなり、2006年の長澤版でも引用されたぐらいです。 なんでもあのセリフはアドリブで、薬師丸が本当に興奮していたために、 しばらく自分のケガにも気付かなかった程だとか…。(°∀° ) さらに薬師丸版は、美声の持ち主でコーラス部出身の情報もある彼女が、 ついにレコードデビューしたことでも話題となった作品で、年末の紅白も決まりましたが、 薬師丸が学業との兼ね合いで出演不可能だったので桜田淳子が替わりに歌い、 桜田がその後引退したため、彼女にとっても最後となった皮肉な「紅白出場」だったとか…。 薬師丸は昨年末の紅白にやっと本人が本人として出て、自分の持ち歌を歌ったので、 本人歌唱の「セーラー服」を聴けるかと思ったけど、残念ながら「Wの悲劇」でしたね。 でもあの曲も名曲だし、お年を召した彼女にはあっちの方がふさわしいでしょう。
この曲はその後も何人もがカバーしてますが、薬師丸版と同時に作曲の来生たかおが 一部歌詞を変えて「夢の途中」として歌ったのがカバーの最初でしょうか? 一人称が「僕」だし、歌詞の内容的にも女声より男声が歌う方が合っているけど、 男が歌うとフラレ男の恨み節みたいでカッコ悪いと、ずっと思ってたんですが、 今回この記事を書くために映画を見返してみたら、 泉の回りの男性たちはほぼ全員死んじゃうじゃないですか! (゚ロ゚ノ)ノ!! そうかこの歌は「死にゆく者たちからの別れの言葉」なのかと考えると、 来生版も嫌いにはなれなくなってしまいました。(つД`)
映画では初登場時にエクソシスト的エビゾリしながら「カスバの女」を歌っているという インパクトありまくりの薬師丸(星泉)ですが、父の葬式から自宅マンションに着いた時、
 一人で乗ってるエレベーターの白い室内でやけにクチビルがピンク色だなぁと思ったら、 その辺りを片手でゴシゴシと擦ると、手に口紅がベッタリ付くのでドッキリしました(笑)。 きっとクチビルの感触に不快感があったんでしょうが、まだ大人になり切ってない 女子高生という一瞬の時期を鮮やかに切り取った名シーンですねぇ…。 そしてその直後にエレベーターを出るときに、ドアの鏡面仕上げになってる部分に 黒メガネのオトコの顔っぽいのがボンヤリ写るんでまたビックリ!(((( ;゚Д゚))))ガクブル でも、よく考えたらこれカメラさんですな。今ならCGで消すだろうけど、 この頃はまだ未発達だしなぁ…。心霊でなくてアー、ヨカッタw どうも泉ってコは押しに弱いみたいで、突然現れた父の愛人(風祭ゆき)を家に入れるし、 めだか組4代目襲名を受けるし、30年前の女子高生は、まだ優しかったんだなぁ…(つД`)
 取巻の高校生男子3人とめだか組の連中が酒飲んで騒ぐ場面で、座禅を組んだ大仏の 脚の上にチョコンと座って同じ格好してるのもカワイイです。ヽ(´ー`)ノ ちなみにこの大仏、新宿2丁目の太宗寺の地蔵菩薩坐像で正徳2年(1712年)に造られ、 東京都指定有形文化財に指定されている程の名仏なんで、 これよく、上に登る撮影許可降りたなぁと思ったけど、ゲリラ(°∀° )カモ!
 いろいろあって、最後の殴り込みにボロボロの日野コンテッサに乗っていくのがイイですなぁ…。 ボロボロの伯爵夫人だなんて、めだか組と泉そのものじゃないですか! そういえば直前のシーンで泉がなぜか高貴な人風のベール付き衣装を着ていて 意味不明だったけど、このシーンへつなげる伏線だったのかぁ!(爆
 そしていよいよ、あの夏用のセーラー服と機関銃の登場と「カ・イ・カ・ン」の一言。 後で嬉しそうに笑う大門さんと心配そうなヅライバー渡瀬さん(ズラ未装着)が対照的ですが、 角度的にヅライバーさんには頬の血が見えたんでしょうなぁ…。 このシーン、さんざんCMでも流されたんで見慣れてしまってましたが、 なんと劇中で泉が銃を撃つのはここが初めて! その後は、大門さんを殺された怒りから二丁拳銃でその場のヤクザ共を皆殺しにしますが、 爽快感より切なさが漂うのは日本映画ならではなんでしょうか……。
ラスト、また大切な人との別れを経験させられ、街を冬の濃紺セーラー服で彷徨う泉は、 なぜか赤いハイヒールを履いてますが、このアンバランスさが実に(・∀・)イイ! この頃はまだプニプニでセクシーさとはほど遠い薬師丸の脚が、とても美しく見えます。
 へぇと感心していたら、そのまま彼女は地下鉄の換気口の上に立ちマリリン・モンローの 「七年目の浮気」状態になる訳ですが、その時の彼女のモノローグの結びが 「ワタクシ、オロカな女になりそうです。(マル)」って、これまた最高!ヽ(´ー`)ノ この結び、原田版や長澤版で踏襲されているのかどうかは知らないけれど、 原田智世じゃホントにそうなりそうだし、長澤まさみじゃ「何をカマトトぶってやがる」 って感じしかしないですよね(笑)。生まれつき優等生振りが染み着いてる 薬師丸ひろ子だからこそ似合うセリフでしょう。
この映画単なるアイドル映画だと思ってたら、脚本も監督もちゃんプロの仕事をしてある 青春映画の佳作として評価するに充分な作品に仕上がってるんで感心して調べたら、 監督は厳しい演技指導で有名だった相米慎二でした。彼は『翔んだカップル』映画版が 監督デビューなんで、引き続き薬師丸の映画に起用されたんでしょうが、その後も 名作佳作を作り続けた才能のある監督で、ガンで若くして夭逝されたことが惜しまれます。 脚本は田中陽三で、こちらは大ベテラン。仕事歴は多彩すぎるんでこちらを参照のこと。
どうにて、単なるアイドル映画には不釣り合いの古い映画ファン向けのコネタがいっぱい 仕込んである訳だ(笑)。特撮ファンにはあの異色シリーズ『怪奇劇場アンバランス』の 「木乃伊の恋」を手がけた脚本家と言えば納得でしょう…。風祭ゆきが出てきて きっちり濡れ場までこなしてくれるのは、脚本家つながりでしょうかね。
 今回のトイガンはハドソン製の物。「30年前の可動補償しないガスガンジャンク」と いう触れ込みで、同様の状態のもう一つのトイガンとセットで3500円弱で落ちました。 映画で使われたのもハドソン製のトイガンで、シーンによっては銃尻からガス用パイプ みたいのが見えてるので、年代的にも劇中使用品と基本的に同じ製品かも知れません。 ジャンクに3500円は安くはないけど、グリースガンは元々高いし、人気も高くて ウン万逝っちゃうのが普通なんで、よくこの値段で落ちたと思いますが、 やっぱ「30年前には撃てたが今は動作未確認」ってんじゃマニアは手を出さないかw
でもこれで、ようやく私のトイガンコレクションの長物用ラックが埋まりました。
 4本までは順当に揃ったんですが、最後の1本がなかなか決まらず、苦労しました。 長物は高いんすよ、やっぱ…… (;´Д`A ```
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