5年前の年末にこういう記事を書きました。その年の春の東日本大震災で 私のコレクションルームが被った被害と、それによって火がついた 1/6の007フィギュア&ドールのコレクション熱を駆け足で御紹介したものです。 その頃はまだ「ミニカーブログ」の体裁を保つため、ソフビやフィギュア等は ミニカーのついでにお見せするという原則を崩してなかったので、 ボンドールの詳しい紹介はしてなかったんですが、今や「ナンデモアリブログ」へと 華麗なる転身を遂げたので(あ~、そこ、ネタ切れとか言わないようにw)、 これから詳しい紹介をしていくことにしましょう。とは言え、007シリーズも正規版だけで24作を数え、 それぞれに2体以上のボンドールがあるんで、ミニカーのように1つずつ紹介していっては、 それだけで2~3年かかる計算になるので、原則として作品ごとに取り上げていこうと思います。
まずは1962年製作の第1作『007/ドクター・ノオ』。今から半世紀前に この映画が作られていたのは脅威で、どうしても時代が出るメカを除いては まったく古さを感じさせません。 この映画のいろいろな激しい描写は当時はショッキングだったようですが、 結局のところ、アクション映画の描写はこの作品ですでに完成していた訳で、その後の進歩 というか変化は、リアルにやってたのをCGに置き換えるようになった位かもしれません…。 全長105分の作品なので2時間枠TV放映だとカットもほとんどないですが、
 冒頭、深夜のクラブでポーカーをするボンドを捜そうとする秘密情報部本部の 通信機室らしき所でのやり取りが丸ごとカットなのは上手いと思いました。 当時の交換機的機材はどうしても古くさいので、今や見せない方がいいです。 この部分、厳密には、ボンドが呼び出されMのオフィスに出頭した時のマネペニーの 「ロンドン中捜したのよ」というセリフにつながってはいますが、 無くても不自然に感じるほどではありませんからね。
 続いてはMのオフィス内のシーンで、ピーター・バートン扮する「アーマー」(武器係)が呼ばれ、 ここでかの有名な「銃の交換」のシーンとなる訳ですが、 最後、ちゃんとMは「ブースロイド少佐、ありがとう」と名前を呼んでいます。 後の『007/私を愛したスパイ』でソ連のスパイのトリプルXがQを 「ブースロイド少佐」と呼んだことで、この二人が同一人物だったことを 初めて知ったファンが驚いてたけど、ちゃんと1作目から解ってたんですよ。 ただこの時はQとは呼ばれず、2作目以降デスモンド・リュウェリンに配役が変わって 個人名を呼ばれなくなったんで、映画だけ見てるファンには解りにくくなってたことも確かですが、 原作を読んでいればMの部屋に呼ばれる兵器係はずっと Q課長ブースロイド少佐だってことは周知の事実なんでした(笑)。
ピーター・バートンがなぜ第1作限りになったかですが、次回作にもオファーされたものの、 他の映画の出演と重なったんで降りたそうなんですよ。 その映画ってのはたぶん、邦題が『性の敵』というアレなタイトルの “That Kind Of Girl ”って作品で邦題の通りセクシー映画のようですが、 こちらの予告編、の50秒あたりから金髪女に迫ったあげく警察に捕まるオッサンが たぶんバートンでしょう。オッサン&爺さん相手に室内で数分しゃべるだけの007より、 エロイ思いができる『性の敵』を選んだのは男なら解らないでもないですが、 その選択が大失敗だったことは歴史が証明してますね…。 ギャラでモメない限りはわりと義理堅いイオンプロはこの後にも、 『007/サンダーボール作戦』でバートンを小さな役で使ってあげますが、 バートンはその2年後に今度は67年版の『007カジノロワイヤル』に出演するという 大失敗をまたしても犯します。こうなると完全な裏切り者なんで 以降イオンプロからのお呼びは一切かからず、本当なら人気者になったであろう 初代Qは、熱心なボンドマニア以外には存在を知られてません(泣)。
 ジャマイカのクラブでのレイターとの緊迫感に満ちたやり取り。 本当はこの時、二人は周知の仲のはずなんですが、完全に初対面として描かれてます。 これは原作とは作品順が変わって本来6作目の『ドクター・ノオ』を1作目にしてるから しょうがないし、そもそも原作にはレイター出ません(爆笑)。 それをわざわざ出してきたってことは、レイターをボンドの相棒として シリーズ通じて育てていく気だったことが解ります。ジャック・ロードのレイターは クールでカッコイイので、彼が次にレイターの出番がある『ゴールドフィンガー』出演の オファー時に高額のギャラを吹っ掛け、降板させられたのが悔やまれます……。 もっともこの辺の事情は、後に勃発するコネリーとのバトルのように、相場のギャラを 払ってないのはイオンプロでジャック・ロードには非は無かったのかも知れません…。 そのレイター役ですが『ゴールドフィンガー』では、本来、ポーカーの相手役で参加してた 風采の上がらぬセック・リンダーにしたってことは、余程ドタキャンだったんでしょうね。 本来はレイターのイメージを変える気が無かったのは『サンダーボール作戦』のレイター役の リック・ヴァン・ナッターの役作りが、薄い色の無地のスーツにサングラスという、 ほとんどジャック・ロードと同じイメージなことからも解ります。リンダーも一応は薄い無地の スーツ姿ですが、俳優がオッサン丸出しで鋭さがカケラも無いからそう見えません(笑)。
ドクターノオの島でのハニーの登場シーンは今見ても美しさの極みです。 半世紀前だと扇情的過ぎたかも知れませんねぇ?(°∀° ) 原作では完全なヌードでデルタも丸見えで、全身日焼けしてるんで足の裏が白いのを見て、 彼女が黒人じゃないなんてボンドは判断してたから、その再現は今日でも難しいことでしょう(笑)。 そもそも原作ではハニーは過去にレイプされ鼻を強く殴られ骨折して曲がってる描写があります。 さすがにこれは1962年当時でもまずかったのか、オミットされて正解でした。 この時アンドレスは英語ができなかったので話はニッキー・ヴァン・ダー・ジル (彼女は『ムーンレイカー』まで多数の007シリーズで、ターニャやドミノ、キッシー等の主役級も 含む吹替を担当)、歌声をダイアナ・コープランドが吹き替えているそうです。
コープランドは音楽担当のモンティー・ノーマンの当時の奥さんで、「マンゴの木の下で」の歌を 担当したのも彼女なので、海辺のハニーの歌はレコードオリジナル歌手の鼻歌ということですな(笑)。 どちらの声もキュートな感じなので、阿修羅・裸娘(アーシュラ・アンドレス)の キツイ顔立ちを上手く中和していますなぁ…。ヽ(´ー`)ノ
 さて、この『ドクター・ノオ』からのボンドールですが正規品が出て、ハニーとドクター・ノオがあります。 ハニーは2010年にバービーでボンドガールコレクションが発売された際にラインナップされたもので、 顔もスタイルもよく似ています。貝を持ってるのはハニーが希少な貝を売って生計を立てている という設定があるからで、上の登場シーンの動画でも獲物をチェックしてるので、 そのシーンの再現のつもりでしょうが、ホントは巻貝なのに真珠貝っぽいのになってるのは御愛嬌。 バービーだから真珠の方が(・∀・)イイ!!からシカタナイ(爆) まだ「全作品のフィギュアを集めるという決意」の前だったので、ホントはコレを 買う気は無かったんですが、ある日検索してたら30%オフの4000円のを見つけたんで、 ついついポチってしまいますた。\(^o^)/
 フィギュアなんで3面図は撮らないつもりが、ハニーはヒップラインも魅力的なので激写! (°∀° )
一方、ドクター・ノオはサイドショウの一連の007シリーズで、2002年から実にたくさんの ラインナップが出たうちの、わりと初期の品だったはずです。デキの良し悪しの差が大きい シリーズですが、このドクターノオはまぁまぁかな? これは2005年頃に、オクで2000円で回転寿司だったのでホクホク顔で落札。 服が白いはずなのがやや黄ばんでますがこれは最初からで、見本だけ白い布で作ったのか、 ロットによるばらつきがあるのか、経年による黄ばみかは不明。
 また、この写真のように放射能防護服もセットで付いてるはずですが、 箱を何処かにしまいこんじゃったんで、今回はこの公式写真で御勘弁下さい。
さて、以降もこんな感じで各作品に突っ込みを入れつつ、 ボンドールをゆるゆると紹介していきますので、どうかお付き合いください!\(^o^)/
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